日本呼吸器学会呼吸器ワクチン検討ワーキンググループ委員会と日本感染症学会ワクチン委員会の合同委員会はこのほど、「65歳以上の成人に対する肺炎球菌ワクチン接種に関する考え方」を表明した。2014年は65歳以上の高齢者を対象に23価肺炎球菌莢膜ポリサッカライドワクチン(PPSV23)の定期接種が始まり、任意接種の13価肺炎球菌結合型ワクチン(PCV13)が65歳以上に適応拡大されたことから、医療従事者には両ワクチンの使い分けや連続接種に関する判断が要求されるようになった。同委員会は米国の予防接種の実施に関する諮問委員会(ACIP)の推奨は参考意見にとどめており、各ワクチンの接種状況に応じた接種パターンを複数示している。 同委員会の考え方によると、2014年度はPPSV23未接種高齢者のうち65歳から5歳おきに100歳までが定期接種の対象となり、再接種は5年後以降、続けてPCV13を接種(連続接種)する場合は1年後以降であれば安全性に問題はないという。PCV13接種後にPPSV23を連続接種する場合は、6カ月―4年後が適切との考えを示している。定期接種開始以前のPPSV23既接種者は定期接種対象外となるが、今後も任意でPPSV23接種から5年後以降の再接種が可能としている。 ACIPはPPSV23とPCV13の接種について、接種歴がないか不明の65歳以上にはPCV13の初回接種後6‐12カ月でのPPSV23連続接種を推奨している。しかし、同委員会は両ワクチンの連続接種に対する安全性が国内で確認されていないことなどから、今回は参考意見に位置付けた。その一方で、同委員会の考え方も3年以内に見直しを検討するという。(m3.comより) 【関連リンク】 65歳以上の肺炎球菌ワクチン定期接種について haienkyukin_chart haienkyukin_intro